早くも戦闘モードに突入しているのは
鳥谷敬だ。「1年間、ミスのない野球をしたい」。チームも、本人もノーミスのゲームを続ければ9年ぶりの優勝はおのずと見えてくると信じている。
「チームとしては優勝、個人的には今まで自分が出してきた数字をすべて超えるようなシーズンにしたいと思っています」
特に鳥谷が固執している守備力については、今までにないこだわりを見せている。昨季は4失策でシーズン守備率.994は、遊撃手としてリーグ1位。ただ、本人はさらに高みを目指す。
「攻めていった中でのミスも出てくる。でも最後に超えることができればいいですね。エラーの数よりもチームメートに信頼されるフィールディングをしたい」
セ・リーグの遊撃手での最高守備率は97年、
中日の鳥越が記録した.997だが、これを超えるような数字を残せば、本人も熱望する2年連続ゴールデングラブ賞のタイトルも見えてくるというもの。
昨シーズンも全試合出場を果たし、プロ野球史上、
衣笠祥雄、
金本知憲に次ぐ3位の1322試合出場をマーク。2年連続フルイニング出場を継続している。土のグラウンドをホームにする甲子園で、内野手としてのフル出場だけに、鳥谷の存在感はエスカレートするはずだ。
今春キャンプではインフルエンザを発症し、チームから離脱して4日間の静養を強いられた。しかし、実はその間も単独で極秘トレーニングを続けた。そのあたりはチームリーダーとして頼もしい限りで、鉄人ぶりは健在だ。鳥谷は「いいスタートを切りたいですね」と、しっかりと開幕に照準を合わせている。