1年前とは立場も責任も様変わりした。
雄平は昨年に続き自身2度目となる今年の開幕を、四番打者として迎えることになる。「開幕戦は特別な試合。打てないよりは結果が出た方がいいですし、勝つことが何よりも大事。四番というのは気にせず、チームが勝つために頑張るだけです」。個人よりもチーム――。中心選手としての自覚は備わっている。
昨年はプロ12年目にして開幕デビューした。3月28日の
DeNA戦(神宮)で「二番・中堅」でスタメン出場。「満員のホームゲームでしたし、試合前は緊張していました」。だが「これもいい経験」と言い聞かせて臨むと、初回にいきなり左前安打を放つ。続く2回にも中前へ運び、マルチ安打をマーク。チームの勝利に貢献した。
2003年にドラフト1巡目で投手としてプロ入り。これまで「開幕戦で投げられるピッチャーは1人だけですし、僕には縁がないものだと思っていました」。09年秋から打者に転向。13年には右ヒザ前十字じん帯断裂の大ケガを負ったが、その試練を乗り越えてつかんだ初の開幕スタメンだった。
2度目となる今季は周りからの注目度も違う。3月10、11日の欧州代表との強化試合(東京ドーム)で、初めて侍ジャパンに選ばれた。第1戦では「七番・中堅」で先発。守備で2度のミスを犯し、3失点に絡んだが、同点の8回に汚名返上の決勝打。「ああいう特別なところで、気持ちの切り替えができたのは自信になります」と大舞台での経験値も上がった。
2年連続最下位に沈んだチームにとって、スタートダッシュは必要不可欠。「今年の
ヤクルトは違うぞ、と思わせることが大事」。燕の新四番が開幕から大暴れする。