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伊志嶺忠捕手・8年目捕手の存在感

 



 2年ぶりの開幕一軍。今年で30歳を迎える伊志嶺忠は一軍にいることの喜びをかみしめながら過ごしている。「ファームにいるよりは、一軍にいる方が気持ちいいですね」。沖縄出身で「シーサー」という愛称をつけられている背番号48は小さく笑った。

 キャンプは二軍スタートだった。だが、3月上旬に一軍に呼ばれて以降は持ち前の打撃で猛アピール。3月18日の西武戦では1本塁打を含む3打数3安打をマークした。当初、捕手2人制を視野に入れていた大久保博元監督をして「伊志嶺のすごい活躍で悩みます」と言わしめる働きで、開幕一軍の座を勝ち取った。

 嶋に次ぐ2番手捕手の座を小関に譲った昨季。極度の打撃不振に陥った。打率は.091。自慢のパンチ力は影を潜め、出場はわずか14試合にとどまった。復活を期す今季。「普段の練習からゆったりすることを意識してきた。間が取れるようになった」と、打棒復活へ手応えをつかんでいる。

 今シーズンで8年目。「試合中だけでなく、いろんな場面で投手とコミュニケーションを取っている」と、投手との信頼関係の構築への努力を怠らない。田口バッテリーコーチも「彼も、プロ生活が長いからね。地道に黙々と取り組んでいる姿は頭が下がるよね」と目を細めた。

 開幕後の出場はまだ1試合(4月1日時点)だが「体はすごくいい状態」と表情は明るい。捕手陣では唯一の左打ち。打撃の状態が良ければ、ベンチスタートでも、ここぞの場面での代打など、出場の幅は広がってくる。「打てる捕手というのが自分の理想。どんどんアピールしたい」。口調に決意がにじんだ。
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