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サンチェス内野手・復調が待たれる上位浮上へのキーマン

 



 開幕からいまひとつ波に乗り切れないチーム。最大の誤算は、ギャビー・サンチェスの不振だ。「五番・一塁」でスタメン出場した3月27日の日本ハムとの開幕戦(札幌ドーム)こそ第4打席に初安打を放ったものの、31日の西武との本拠地開幕戦では4打席4三振。翌4月1日に、開幕から1週間を待たずに出場選手登録を抹消された。

 一軍での成績は10打数1安打の打率.100。三振は6個を数えた。「真っすぐに差し込まれている。差し込まれたくないから、体が開いて変化球にも対応できなくなる」と大久保監督。ただ、登録抹消の理由は開幕後の成績不振だけではないという。

「オープン戦から打ち取られ方が一緒だった。外国人は開幕すれば、アドレナリンが出て変わることもあるから、そこに期待していたんだけど、いい方向に向かなかったから」。オープン戦の打率は.250で、三振は「10」。メジャー通算61本塁打を引っさげて入団したが、その本塁打も練習試合で打った1本のみ。当初、ペーニャ、ウィーラーとともにスタメンに入れる超攻撃オーダーも視野に入れていたが、方向修正を余儀なくされた。得点力不足に苦しみ、開幕から毎試合のようにオーダーが変わったのは、主砲の不振という想定外の要因があった。

 性格は真面目で努力家だ。それだけに指揮官は「精神的に参っていた部分もある」と思いやり、「下で気楽に打席に立って、日本の配球に慣れてくれたらいい」と、期限を設けずに二軍での変わり身に期待した。長打力と勝負強さを買われて入団した大砲。チームの浮上に欠かせない選手であることに間違いない。
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