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バリオス投手・セットアップに躍進したノーマーク右腕

 



 キャンプが始まったときにはB組だった。背番号は142。だが、その男はいま、リードした8回を任されるセットアッパーに急浮上している。バリオスは工藤ホークスには欠かすことのできない切り札になった。「ベネズエラのウインター・リーグでもリリーフはやってたよ(6試合登板)。だから問題はなかったね。自分の中でもベストの状態で開幕を迎えた」

 12年6月に右ヒジ関節内側側副靱帯再建手術(通称トミー・ジョン)を受けた。13年は8月の来日初登板初先発初勝利を含む2勝(1敗)をマーク。だが、大型補強の影響もあり、昨年はリリーフの2試合のみ。14年オフには解雇を告げられた。背番号が3ケタの育成選手でチャンスを得るとオープン戦では8試合に登板し、防御率1.04と覚醒。基本的に先発だった右腕を工藤監督が“配置転換”し、ノーマークだったベネズエラ人は実力で支配下登録のみならず、開幕一軍まで勝ち取ってみせた。

「球の力で押す投球ができる。球種も多彩だし、相手には驚異だと思う」とは指揮官の評価。外国人枠の関係もあり、2ケタ勝利を期待されたオランダ人・バンデンハークが使えないといううれしい悩みも抱えるほどだ。開幕から4月19日のロッテ戦(QVCマリン)まで9試合連続ホールド、防御率0.00(23日現在)となくてはならない存在へと急成長を遂げた。

 好物はカピバラ。旬は4月のため、日本でプレーする間は食べることはできないが、「スペシャルな牛肉のような味」。ただ、それだけ日本になじみ、日常会話では通訳が必要ないほどだ。焼き鳥も好む右腕は守護神・サファテへ勝利のバトンを渡す役目に、意欲を燃やしている。うだ。
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