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イ・デウン投手・順応見せた1勝

 



 手薄なロッテ先発投手陣にあって、開幕から登板4試合で3勝。今季加入した韓国出身の右腕、イ・デウンは欠かせない戦力となっている。4月18日は本拠地QVCマリンでソフトバンクを相手に7回無失点。3勝目を挙げると、お立ち台で「これからも勝ち続けます」と高らかに宣言した。

 この試合までは勝ち星を稼ぐ一方で課題も見え隠れしていた。最速154キロと自信を持つ速球にこだわるあまり、捕手のサインを受け入れずに力勝負を挑んでははじき返される。4月12日の西武戦(西武プリンス)では、味方の大量援護もあって勝利投手になったものの、中盤に打ち込まれて5回4失点。3試合を終えての防御率も4.67とさえない数字だった。落合投手コーチは「毎回同じ崩れ方だから代えやすいけど、もう分かってもらわないと」と苦言を呈した。

 同じ失敗は繰り返さなかった。「コーチからキャッチャーについていけと言われていた」と明かしたとおり、田村のリードに首を振る場面はほとんどなかった。低めへの制球が安定し、本拠地特有の強風を味方につけたカーブも効果的で「今まで真っすぐに頼っていたので、変化球も使おうと思っていた。カーブが一番良かった」と手応えをにじませた。

 韓国で3年間の指導経験がある落合投手コーチは「向こうはみんな投げたいボールを投げて打った、抑えたになる。そこで苦労した」と語る。イ・デウンに対しても「もっと上の世界を目指すのであれば、考え方も変えないと。1人でやっている感じ」と意識改革を求めた。変化の見えた1勝を転機にできるかが、今後の成績を左右するポイントになりそうだ。
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