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Y.エレラ投手・練習熱心なきまじめな男

 



 前評判を覆し確かな地位を築いている。「言われたところ、任されたところで投げるだけ。勝利に貢献できればいい。僕の仕事はチームをリリーフすることだから」。助っ人には珍しく、感情を表に出さないタイプ。DeNAの救援陣にとって、Y.エレラは必要不可欠な存在となった。

 加入が決まったのは今年1月下旬。Y.グリエル(すでに契約解除)がキューバ代表の活動によって離脱することを想定した、第5の外国人という立場だった。ところが、2月の沖縄・宜野湾キャンプで評価が急上昇。150キロを超える快速球と落差の大きなフォークを軸に、カーブ、ツーシーム、チェンジアップを操った。

「黙々とやるタイプだね。説得力のある結果で、存在感を示してくれた」。中畑監督は信頼を寄せ、左腕の田中、抑えの山崎康とともに勝ちパターンで起用。開幕直後は主に8回を任せられ、3ホールドをマークした。ところが、4月10日の中日戦(ナゴヤドーム)で2/3回を4失点。19日のヤクルト戦(神宮)も1/3回を3失点と崩れ、勝利の方程式から外れることになってしまった。

 好不調の波は激しいが、魅力の一つが仕上がりの早さ。ブルペンでは数球を放っただけで肩ができるそうで、練習熱心な姿は仲間から一目置かれている。配置転換となった直後、21日の阪神戦(横浜)では1回2安打無失点、すべて三振でアウトを取る好投。プロとして意地を見せた。「自分の力を全部出したい。一生懸命、努力を続けていきます」。昨季はエンゼルスで20試合に登板し、1勝1敗、防御率2.70。きまじめな男にはきっとまた、スポットライトが当たるはず。
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