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西野真弘内野手・攻守に躍動するチーム最小兵

 



 ドラフト7位ルーキー・西野真弘が見せるプレーには無限の可能性を感じる。「自分が入ることでチームの流れを変えたい、変えないといけないと思っています。勝利に貢献するために全力でやるだけですね」。チーム最小兵・167センチの新人内野手が攻守に躍動する姿を見せている。

 一軍スタートとなった宮崎・春季キャンプからオープン戦、シーズン開幕と結果を残し、必死にしがみつきながら一軍切符を勝ち取った。キャンプ中には侍ジャパンの小久保監督から「体は大きくないけど、バットの出る角度はセンスを感じる」と絶賛されるなど期待は大きかった。

 最も輝きを増したのは4月29日の楽天戦(京セラドーム)だ。1点リードの4回二死三塁。内角高めのカットボールを振り抜くと、鋭い打球は超満員に埋まった右翼席へ突き刺さった。「自分のバッティングの中で見たことのない弾道だった」と打った本人が一番驚く豪快弾。パ・リーグの新人では最速となる1号だった。高校、大学では公式戦で放った本塁打は0本。社会人・JR東日本時代にも、日本代表として昨秋のアジア大会(韓国)で打ったのが唯一の本塁打だという。この日は一発を含めプロ初の3安打4打点と爆発し、初のお立ち台も経験した。

 俊足、好打、堅守で躍動する姿を見せたルーキーに森脇監督も「持ち味の勇敢な姿勢が存分に出た」と賛辞を送った。「大きい選手には負けたくない。身長が小さくてもできるところを見せていきたい」。激しい内野争いの中で奮闘し続ける西野。入団時から華やかな扱いを受けるドラフト1位とは違い、高校、大学、社会人とコツコツと実績を残してきた苦労人がプロの世界で才能を開花させる。
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