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森友哉捕手・スターへの道を駆け上がる19歳

 



「オールスター? そんなん、まだまだ自分が出られる世界ではないです」と森友哉は言った。5月19日から始まったファン投票用紙のマークシートに自分の名が挙がっていることについて、「うれしい」と率直に喜んだが具体的な出場についての話になると、19歳らしい謙きょな言葉が返ってきた。だが、25日に行われた中間発表を見れば、『DH』のポジションで1位のみにとどまらず、3万2458票と両リーグ合わせた最多得票数を獲得している人気ぶり。「まだまだ」どころか主役となる可能性の方が高い。

 この結果は十分納得だ。2年目で開幕から六番・DHでレギュラーをつかみ、打率.289、9本塁打、28打点(5月28日現在)と首位争い渦中のチームの主力を担っている。また、26日から始まった交流戦ではDH制がないセ主催試合で本来の捕手ではなく、キャリア初となる右翼手として出場中。その打力が、いかに今のチームにとって欠かせないかの何よりの証明だ。

 試合に出れば出るほど、活躍すればするほど、相手の攻めは厳しくなる一方だ。それでも、誰よりも重心を低く構え、時には勢いで体勢を崩すほどの空振りをしたとしても、森のフルスイングは見ていて惹き付けられるということを、ファンはすでに気付いているのである。

 出場した際の楽しみについては「本当に決まってから考えます」といたって謙きょに答えたが、ライオンズが誇る中村、浅村との大阪桐蔭クリーンアップの球宴での実現、藤浪との再戦など、可能性を挙げればきりがない。

 森友哉、19歳。本人にはまだ自覚はないかもしれないが、名実ともに間違いなく球界のスターとなりつつある。
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