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又吉克樹投手・浮沈を握るサイド右腕

 



 2年目のジンクスに負けるわけにはいかない。4月こそ快進撃を続けた中日が、いま一歩波に乗り切れていない理由がリリーフ陣の不調。その象徴的存在が1年目の昨年は67試合で9勝1敗2セーブ24ホールド、防御率2.21と活躍した又吉克樹だ。昨年の輝きを取り戻そうと、もがき苦しんでいる。

 今年は開幕一軍を果たしたものの、3月27日の開幕・阪神戦(京セラドーム)でいきなり3点リードを守り切れずに救援失敗。同31日の巨人戦(ナゴヤドーム)では今季初勝利を拳げたが、2点リードを追いつかれた。以降も救援失敗を続けると、5月15日の阪神戦(ナゴヤドーム)では1点リードの8回を任されるも逆転を許して今季2敗目。ついにファーム落ちが通告された。

 ファームではかつてメジャー・リーグで守護神として活躍した大塚投手コーチの話に耳を傾けた。フォームを見直し、スパイクも昨年と同じものに変えた。降格後はウエスタン・リーグの公式戦で2試合登板すると、いずれも無失点。「自分を見つめ直せた。手元で伸びる球が自分の持ち味。そこにこだわって、ゼロからやりたい」と5月26日に再昇格を果たした。

 又吉が降格している間は田島や浅尾が代役を務めたが、首脳陣が期待しているセットアッパーは又吉。5月26日のソフトバンク戦(ナゴヤドーム)では再昇格したばかりにもかかわらず、7回途中からマウンドに送り込むと8回も続投。無失点で乗り切って復活の兆しを見せた。「とにかくがむしゃらにやっていきます」と話す又吉。このサイド右腕が本領を発揮すれば、中日の未来は明るい。
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