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福留孝介外野手・答えを積み重ねるベテラン

 



 開幕からチーム内でもっともコンスタントな働きを見せている。攻守両面の見せ場で結果を残すのは、今年38歳になった福留孝介だろう。

「グラウンドで自分のやれることをしっかりやることが大切だから。年齢を感じることもあるけど、その分は準備、ケアをしっかりとやっていくこと」

 交流戦でも5戦連続のヒットを放つなど安定感がある。1年前の開幕直後に負傷したことを考えると今シーズンは欠かせない戦力になっている。

 5月下旬には2日連続のサヨナラ打点を挙げた。27日の楽天戦(甲子園)で延長11回二死一塁でバックスクリーン左にサヨナラ2ラン。阪神移籍後3年連続のサヨナラ本塁打を放った。

 翌28日の同カードも同じ延長11回に押し出し四球を選んでのサヨナラ勝ち。よく言うベテランの「顔」で選んだ四球は、球団創設通算5000勝に貢献した。

 その魅力はバットだけではない。5月1日のヤクルト戦(神宮)の8回裏一死一、二塁のピンチで、打者・川端の右翼への当たりに、あたかも捕球するかのように見せて、走者の判断を鈍らせた。

 実際に打球は福留の頭上を越えてフェンスに当たってはね返るが、スタートの遅れた二塁走者・荒木が本塁でタッチアウト。球場の広さと感覚、風向きを考えた頭脳プレーを見せたのだ。

 打順は開幕から「五番」か「六番」で起用され続けている。守備では右翼のポジションに固定。チームが下位低迷から上昇してきたのも、福留の勝負強さが大きかった。「まだまだゲームは続くから、答えを積み重ねていきたい」と頼もしい。
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