命運を握るはやはり四番の
ダヤン・ビシエドだ。
開幕から3戦連発と注目を浴びたものの、6月は87打数16安打で月間打率.184と不調に陥った。だが、球団も手をこまねいているわけではない。7月上旬、祖国のスーパースターで元竜戦士の
オマール・リナレス氏を巡回コーチとして招へい。これに応えるように、ビシエドも調子を取り戻した。
7月8日の
ヤクルト戦(神宮)。完全復調を印象づけた。5月19日以来、1カ月以上ぶりの猛打賞。このゲームで7月に入ってからは6戦で5試合マルチ安打をマークした。
「リナレスはボクのスーパースターなんだ。一緒にいられるだけでうれしいよ。アドバイスをもらったらしっかり勉強したいと思っている」
リナレス氏は2002年から3年間在籍し、04年の日本シリーズでも活躍した『キューバの至宝』。「日本に戻りたいと思っていた。チームの役に立ちたい」と抱負を語る。同じキューバ出身で亡命前には注目していたというビシエドとの連携も密。連日のマンツーマン指導が続いている。
谷繁監督も「ビシエドが打てなければロースコアのゲームになるし、打てば点は入る。できる限り頑張ってほしい」と語る。球団はリナレス巡回コーチに加えて、ビシエドの家族も日本に呼び寄せるなど、サポートを惜しまない。チームの浮き沈みは四番のバットにかかっている。