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日本ハム 高梨裕稔投手・殻を破ったミラクル逆転劇のキーマン

 



 チームが目論むミラクル逆転劇の旗手になる。3年目右腕の高梨裕稔が巻き返しへのキーマンになりそうだ。今季は初の開幕一軍キップをつかみ、ここまで完全に定着。オールスター前の前半戦終了時点で27試合に登板し、内訳は中継ぎで23試合、先発で4試合。交流戦中に本来適性がある先発へと配置転換されて「二刀流」でフル稼働する1年を順風満帆に過ごしている。

 首脳陣の狙いどおりに成長を遂げ、一気に芽を伸ばした。一軍登板経験は昨季の2試合のみ。特長といえる重い球質の平均で140キロ台後半の直球に、鋭い軌道を描くフォークが主体の投球スタイル。1球、1球のパフォーマンスは一軍クラスだったが、不足していたのは経験値だった。今季先発陣の目玉の1人として昨季から着目されていた存在。球団フロント、栗山監督ら一軍首脳陣が導き出した育成プランが的中した。開幕から一時的に中継ぎ起用し、ピンチなど試合の要所を託して、本業の先発投手として洗練させる。高梨は「どうやって、この場面を抑えたらいいか。それがいまに生きている」という。6月8日の広島戦(札幌ドーム)で今季初先発するまで、セットアッパー的な役割で数多くの修羅場を踏んできた。

 先発に転向して以後、4戦負けなしで3勝をマーク。交流戦後半から球団新の15連勝するなど、ソフトバンク猛追の切り札になってきた高梨が、チームにフレッシュな追い風を吹かせている。
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