今年になって一軍に定着した選手といえばプロ7年目の
小川龍也だ。プロ入り初の開幕一軍入りを果たすと、前半戦は30試合で0勝1敗7ホールド、防御率3.27。過去最高が2014年の7試合だったことを考えれば大幅に更新している。
「試合数は投げていますが、1人も抑えられずに降板した試合もありましたからね。まだまだ仕事できてないって感じです」
残念ながら球宴前に2試合連続で失点したことで球宴休みは二軍で過ごすことになった。まだ完全に戦力になっているわけではないが、飛躍のキッカケをつかんだ理由は昨年のフォーム改造にある。左の本格派として10年に千葉英和高からドラフト2位で
中日入りするも、結果を残せなかったことで昨年序盤にサイドスローへ転向。日本人の父とフィリピン人の母から生まれたハーフは手足の長さを生かして抑える武器を手にした。
首脳陣をうならせたシーンは6月7日の
オリックス戦(京セラドーム)だ。1点リードの7回から登板すると一死二塁のピンチを招くも、二番・西野、三番・糸井の左2人を三振。さらにイニングまたぎとなった8回先頭では
T-岡田をきっちり中飛に抑え、左キラーとしての存在感を見せつけた。
「近藤投手コーチには『相手の打順の巡りや控えにいる打者、試合の流れを読んで、自分で考えて動きなさい』と言われています」と話す左腕は7年目も、まだ24歳。大きな戦力になる可能性はある。