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楽天 釜田佳直投手・苦しんでたどり着いた原点

 



 先発として堂々のマウンドさばきを見せている。プロ5年目。開幕先発ローテに入った釜田佳直は、7月末まで5勝3敗、防御率4.00という数字を残している。2013年11月に右ヒジにボルトを入れる手術を受け、14年3月にはトミー・ジョン手術。長かったリハビリ期間を終え、完全復活のシーズンにしようとしている。

 甲子園は金沢高3年の春夏に出場。センバツは初戦で姿を消したが、夏は1回戦の伊勢工高戦で152キロをマークするなど、5安打完封勝利。2回戦でも聖光学院高・歳内(現阪神)との投げ合いを制し、3回戦進出。前評判にたがわぬ豪腕ぶりを見せつけ、高校日本代表にも選出された。

 苦しんだとき、たどり着いたのは原点だった。5月は5度先発し0勝3敗。実は手術後、球数を減らすため、球を動かすことを意識していた。「打たせて取ろうと思って結果が出なかった。強い真っすぐは持ち味。1球で打ってくれれば、球数を減らすことにもつながる」。直球を軸にした6月以降は、4連勝中と勢いに乗っている。

 7月27日のソフトバンク戦(Koboスタ宮城)では、MAX149キロの直球と140キロ前後のスプリットで好投。しかし、制球が安定せず球数が増え、5回途中で無念の降板となった。「球は悪くなかった。ちょっとしたところを突き詰めていければ、球数も減ってくる」。手術を経験しても、力でねじ伏せる高校時代と同じスタイルで、殻を破り進化していく。
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