今季、
本多雄一が開幕前に掲げていた目標は「打率3割、出塁率.370、50盗塁以上」とハイレベルだった。2010、11年と2年連続盗塁王に輝いた背番号46にとってそれは、5年ぶりのタイトル奪還宣言だ。
「打たなければ、使ってもらえない。選球眼をしっかりし、出塁率を上げていく」
今年1月に自主トレ公開した佐賀県嬉野市でそう、発した。15年4月に右足首捻挫で長期離脱した正二塁手には、それだけの危機感があった。
一番のポイントは「出塁率」だ。盗塁技術はプロ11年目の貯金がモノを言う。必要なのは塁に出ること。自主トレでは特別参加の
松中信彦氏から「フルミル打法」を伝授された。これまでの上半身主体のフォームでは振り始めると、バットが止まりにくかった。両足を開いたティー打撃を徹底し、下半身主導へ改造。実際に「フルミル!」と叫び、ボール球を見逃す練習も取り入れ、オープン戦は15試合で打率.391、出塁率.429、7盗塁と上々の結果を出した。
だが、シーズンに入ると、二塁手はほかとの併用が多くなり、流れに乗れなかった。7月26日の
楽天戦(Koboスタ宮城)まで75試合、打率.255、出塁率.317、13盗塁とペースは上がらない。弱り目にたたり目で28日は腰の張りを訴えたために大事を取り、出場選手登録を抹消された。巻き返しを誓ったシーズンはもう終盤戦へ向かおうとしている。何より、故障完治が待たれるところだ。