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巨人 村田修一内野手・確実性重視し飛距離もアップ

 



 横浜(現DeNA)時代の2007、08年と2年連続で本塁打王に輝いた。ただ、村田修一は春先、アーチを架ける欲を消し、右方向への打撃を強く意識している。「打てないときの自分に戻ってしまう」と生粋の長距離砲が、引っ張ることを封印したのだ。

 今季初本塁打は出場19試合目と時間が掛かり、5月を終えても4本塁打しか記録していなかった。ただ、安定感あるバッティングを念頭に置き、結果がどう出ようと「プロセスが大事」と愚直にその形を崩さなかった。横浜時代に行っていた試合前後の素振りを今季から再開し、日々、試合の中での反省点を踏まえて鏡の前でフォームをチェックする。

 地道な取り組みは数字となって表れてくる。打率を高いところでキープし、フォームも体に染みこみ、持ち前のパワーを徐々に解放。飛距離は自然と伸びていった。6月終盤から本塁打が多く見られるようになり、同25日のDeNA戦(横浜)では4回二死三塁で「いい形でバットが出た」と内角球を気持ち良く振り抜き、左翼席へ2ラン(写真)。プロ野球史上43人目となる通算1000打点を達成するメモリアルアーチとなり、「1000を超えたことは胸を張ってもいいと思う」と感慨深げ。

 7月には5本塁打をマークするなど、確実性に長打力も戻ってきた。勝負の8月に入り、2、3日の中日戦では2試合で1本塁打、6打点。広島を追う立場で、その好調さが頼もしい。
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