なかなか勝ち星が増えない
藤浪晋太郎だが、奪三振については相変わらずだ。数の多さはパワーピッチャーの証明ともいえるが、プロ4年目も三振数を積み重ねている。プロ野球記録は68年、
阪神・
江夏豊の401奪三振。藤浪は「時代は違うが、現実的なすごい数字を目指したい。三振なら250とか260とか……」といってこだわりを隠さない。
昨季は221奪三振でタイトルを獲得。今季も7月22日の
広島戦(マツダ広島)で8三振を奪って、107三振を数えた。プロ入りから4年連続の大台超えは
鈴木啓示(近鉄)、江夏、
田中将大(
楽天)、
森安敏明(東映)に次ぐ4人目の快挙だ。
シーズン前半戦は4勝5敗で2ケタ奪三振も1試合にとどまったが、後半戦は奪三振率を上げてきている。藤浪にとっては調子のバロメーターでもあり、
巨人・菅野らとのタイトル争いにも参戦だ。
しかし一方で、今季は勝てない日が続いた。開幕から3連勝した後は、すっかり勝てなくなる。4勝目を挙げたのは6月2日楽天戦(Koboスタ宮城)で、そこから再び負けが込んだ。
その間、ゆったりしたフォームに修正する工夫もした。ベンチは8回161球を投げさせて猛省を促し、受け手の捕手を替えるなど、藤浪復活にあの手この手が尽くされた。
藤浪が「しっかり勝っていかないと。2ケタ勝利は1つの目安になる」というように、シーズン終盤に向けて、チーム浮上はこの男にかかっている。