2011年の打点王、
新井貴浩が再びタイトルを射程圏内にとらえている。8月2日時点で76打点。三冠王をうかがう勢いの
ヤクルト・山田に1打点差と肉薄している。「勝ちに貢献できる一打を」と、開幕前からこだわりを見せてきた打点。ポイントゲッターとしての役割は申し分なく、同日時点で得点圏打率.396はリーグトップ。勝負強さはチームの大きな武器になっている。
勲章も得た。4月26日のヤクルト戦(神宮)でプロ野球史上47人目となる通算2000安打を達成。さらに8月2日の同カードでは同42人目となる通算300本塁打を達成した。バックスクリーンに飛び込む特大の一撃だった。節目の記録を達成したのはいずれも神宮。それも勝ち試合だった。関東のカープファンの大歓声に見守られ、「勝ちゲームにしてくれて、みんなに感謝したい」と喜んだ。
今季は驚くべき数字が並ぶ。7月12日のマツダ
広島での
巨人戦で今村から本塁打を放ち、自身13年以来3年ぶりとなる2ケタ本塁打をマーク。その7割近くを中堅から右へと運び、飛距離も伸びている。広島に復帰した昨季は夏場以降成績が急降下。反省を生かしてシーズン中もトレーニングを継続することで、今季は7月に成績を伸ばした。下半身主導のフォームは39歳の年齢を感じさせない。打線が好調で主軸を任される新井には得点圏で打席が回ってくるだけに、新井が打点王のタイトルを手にする可能性も十分ある。