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日本ハム 西川遥輝内野手・脅威のスピードがVへの推進力

 



 快足が居並ぶチームの中でNo.1と認知されている。西川遥輝がライバルを押しのけて栄えあるリードオフマンに定着しつつある。2014年の盗塁王。今季まで13年の陽、昨季の中島卓と3年連続で盗塁王を輩出しているが、スピードスターとして誰の異論もないのが西川だ。加速時のスプリント力は12球団を見渡してもトップクラス。優勝争いを展開している原動力の1人だ。「打てなくてもできることがある」と全力疾走を継続し、突破口を演出している。

 一気に局面を激変できる破壊力を持つ。停滞ムードが漂っていた8月10日の西武戦(札幌ドーム)でも重い局面を切り開いた。3点ビハインドを追い付いたが、勝ち越し点が奪えずに延長戦に突入。この時点でソフトバンクが敗れ、勝てば3ゲーム差へ迫り、敗れれば痛い一戦の11回だった。死球で出塁し、二塁走者だった二死一、二塁。田中賢の一ゴロ失策の際に好判断で一気に長駆生還してサヨナラのホームを陥れたのだ。この打開力こそが魅力。宿敵のソフトバンク相手にも脅威の存在。クイックモーションに付け入るスキがある中継ぎ陣に重圧をかけ、時に塁を盗む。打者への配球を盗塁を阻止しやすい直球系に偏らせて打者をアシストするなど、数字に表れない効果も生んでいる。

 昨季は盗塁王争いのシーズン終盤で二軍落ちの苦渋も味わった。

「悔しさがある。今年はやるしかない」

 決意を宿した足でVロードを切り開く旗手になる。
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