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ソフトバンク 城所龍磨外野手・守って良し!走って良し!

 



 今季の大ブレークで、その知名度はスーパーサブの域を超えたと言える。13年目の城所龍磨、俊足と強肩を武器にした球界屈指の守備力を誇る外野守備と代走のスペシャリストだ。昨季までは、ほぼ途中出場のみで一軍に貢献。そこに注目した球団が2014年に「キドコロ待機中」というTシャツを発売したが、イチロー(マーリンズ)がそれを着用したことで「キドコロ」の名は野球ファンの間に広がった。今季も開幕から守備固めと代走で貢献してきたが、好調さを買われスタメン出場が続いた交流戦ではMVPを獲得。一気にその名を全国にとどろかせた。

 交流戦ではバットで目立ったが、武器は何と言っても高い守備力だ。5月29日のロッテ戦(QVCマリン)。同点の8回無死一塁でデスパイネの放った右中間への大飛球に対して、右翼の城所は落下地点めがけて猛ダッシュすると最後はダイビングキャッチ。すぐに起き上がると、今度は一塁へ矢のような送球。打球が右中間を抜けることを確信しすでに三塁を回っていた走者の角中は帰塁を諦めて、併殺が完成した。「この選手ならこういう打球が来るというのをイメージしている」という守備固めとして生き抜いてきた男ならではのビッグプレー。チームは9回に松田の決勝2ランで勝利を収めたが「マッチのホームランより大きかった」と首脳陣もその守備を大絶賛した。

「守備と走塁だけは誰にも負けたくない」

 その矜持(きょうじ)でV3に貢献する。
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