生涯一度のタイトルへ、一歩一歩近づいてきた。ルーキー・
茂木栄五郎は、新人王の有力候補としてシーズン終盤を戦っている。8月終了時点で91試合に出場し打率.274、2本塁打、31打点。9盗塁、19犠打はチームトップだが「僕が候補に残っていること自体、信じられない。残っていることが光栄。ただ、今はそれだけですね」と淡々と話した。
開幕は「六番・遊撃」でスタメン出場。
楽天の新人野手では初の開幕スタメンだった。大学までは三塁を本職としながら、遊撃のレギュラーとして戦ってきた。6月26日の
ソフトバンク戦(Koboスタ宮城)で右手を裂傷。1カ月以上の離脱となったが、8月4日に一軍に復帰すると、あらためて遊撃の定位置を確保している。
同期の活躍が、大きな刺激だ。8月27日の
オリックス戦(Koboスタ宮城)で、吉田正が楽天のエース・則本から2発。大学日本代表の選考会で知り合い、認め合うライバルのバッティングに「あのホームランはすごい。僕も頑張りたいなという気持ちになりました」と闘志をかき立てられた。
日本ハム・高梨、
ロッテ・二木らとの争いとなるが、タイトルへの意識はない。
「新人王を取るためにプロになったわけじゃない。チームの勝利に貢献することが大事なので。もちろん、(新人王は)結果的に取れたら、すごくうれしいです」
フォア・ザ・チームのプレースタイルを貫いた先に、大きな勲章が待っているはずだ。