打撃を改良し、安定した成績を残している。8月31日現在で、打率.344で首位打者争いを大きくリード。
坂本勇人は2012年の最多安打以来、自身2度目となる打撃タイトルを手元に引き寄せている。
キャンプから試行錯誤し、打撃フォームを変えた。重心を落とし、軸足となる右足に比重を置く。軸で回転する意識が強まったことで打球の力強さが増し、右方向への飛距離が伸びた。広角に打ち分け、安打を量産している。また、左足の上げ幅を減らし、目線のブレがなくなり、タイミングを外されることも少なくなった。「ムダな動きを少なくした」と今の形にたどり着いた。
これまで苦手としていた夏場を迎えても、多少のスランプはあっても、成績が落ちる気配は感じられない。7月28日の
広島戦(京セラドーム)から8試合連続で複数安打を放ち、球団記録に並んだ。「ボール球を振らないようにしている」と見極めの重要性を口にした。8月19日の
阪神戦(東京ドーム)では今季初の4安打で「コンパクトに振りにいく気持ちだった」と手応えを口にし、右翼フェンス直撃の二塁打には「いい形で打てたので伸びてくれた」と逆方向への会心の当たりに納得の表情を浮かべた。
セ・リーグで主に遊撃を守る選手が首位打者を獲得すれば、史上初の快挙となる。ただ、日ごろから「個人的な記録はシーズンが終わってから」と繰り返し、今はチームでの戦いに集中している。