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オリックス 伊藤光捕手・与えられた役割を全う

 



「1人五役」。これが今季の伊藤光に与えられたポジションだ。捕手としてエース・金子の女房役を務めるのはもちろん、時には一塁手として、時には打力を生かすべくDHや代打として、そしてチームをまとめる選手会長として。5つの役割をすべてひたむきにこなしている。正捕手を確固たるものにすべく臨んだ今シーズン、若月の台頭で本職での出場機会は随分減ってしまった。だからこそ1試合1試合、1つひとつの打席を大事にする。一振りに懸ける思いは誰より強い。

 オリックスの代打の切り札と聞いて、思い浮かぶ姿は三者三様だろう。今季は外国人の補強に失敗したこともあり、一振りで試合の流れを変えられるような打者は残念ながら少ないのも事実だ。そんな中、伊藤の代打打率は“意外にも”高く、10打数5安打で打率5割をキープ(16日現在)。今季初本塁打が飛び出したのも代打だった。8月12日の西武戦(西武プリンス)、3回に登場し見事な2ランを放った。試合には敗れたものの「急だったけど、しっかり準備していた。途中出場はリズムをつかむのが難しいけど、数をこなせば慣れてくる」と手応えを感じていた。

「当たっているけど、どこで使おうかなあ」

 今季、福良監督は伊藤の打撃を評価した上で、その生かし方に頭を悩ませていた。結果、一塁やDHでの出場になったのは、すべて打力を買われてのもの。残りの試合は5足のわらじで、“オリに伊藤光あり”を示したい。
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