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巨人 堂上剛裕外野手・CS突破の切り札

 



 移籍加入した昨季に続き、代打を主な仕事場とする。ただ、どんな場面でも一振りに懸けている堂上剛裕には、1打席限定の打席でも、そうではない打席でも、緊張感は同じだという。

「代打でもスタメンでも難しい」

 いつ訪れるか分からない出番に向け、時間の使い方が大事だ。体をほぐす、試合の流れや相手投手の傾向を頭に入れる、そしてその瞬間のために集中力を高めていく──。「体、頭、心。この3つの準備をして、いい状態で打席に入れるようにしています」と心に留めていることを口にした。もちろん、試合前にも入念な準備を行う。例えば、打撃マシンを相手にすれば、自ら徐々に近づいていき、体感速度を上げて目慣らしをしていく。打席に立つ場面は終盤が多い。各球団のセットアッパー、ストッパーは軒並み球威があるだけに、立ち遅れないようにするわけだ。

 今季は5月20日に出場選手登録を外れ、8月9日に一軍復帰すると、再び勝負強さを見せた。8月は代打で11打数4安打の打率.364で、1本塁打、4打点。18日の中日戦では同点の9回二死走者なしから左翼への二塁打を放ち、続く長野が二塁打で決勝点につなげた。突破口を開く一打を放ち「(代打で)一軍に置いてもらっていると自覚して、取り組んでいる」と日ごろからの準備が実を結んだ。

 優勝は逃したが、クライマックスシリーズが待つ。より、重圧の掛かるシーンで、“代打・堂上”が重要さを増してくる。
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