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日本ハム 西川遥輝内野手・悔しさを力に代えて

 



 あの失望から1年の時を経て正真正銘の覚醒をした。西川遥輝が優勝争いへとけん引する推進力の1人になった。8月14日現在、125試合に出場して打率.315。6月からほぼ一番に定着して攻撃型布陣の旗手として台頭した。二軍で苦悩していたのが、ちょうど1年前の今ごろ。今季は変貌を遂げてペナント争いをするチームの中心として機能している。

 華麗なる雪辱劇にラストスパートをかけている。「野球が面白くなかった」。そう振り返るのは昨季の終盤戦のほろ苦い思い出だ。

 9月12日、残り17試合の時点でそのシーズン初めて二軍へ降格した。2014年の盗塁王でチームメートの中島卓と激しく2年連続のタイトル争いをしていた時期。攻守走に試合で精彩を欠くシーンが目立ち、栗山監督から非情通告を突きつけられた。

 入団時から高いポテンシャルを見込まれ、リードオフマンに最適と見込まれてきた。

「ハルキなら、できるはず。オレはそう信じている」

 そう確信して栗山監督は起用を続けたが、昨季は自覚のなさも際だったことで再三突き放してきた。昨オフに一念発起。勝負をかけてきたのがこの1年だ。初の3割超も確実に視界にとらえ、ペナント奪取へと突き進む。「僕の一番の使命はチャンスメークをすること」と、フォア・ザ・チームの思いで機動力野球の申し子になっている。かねてから「天才」と呼ばれていた逸材がついに本格覚醒の時を迎えている。
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