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広島 菊池涼介内野手&丸佳浩外野手・チームを支えた名コンビ

 



 キクマルの復活なくして、広島の25年ぶりの優勝はなかっただろう。

 チームが4位に沈んだ昨季は丸佳浩が打率.249、19本塁打、63打点。菊池涼介は打率.254、8本塁打、32打点に終わった。特に丸の不振は深刻で、打順を固定できなかった。開幕当初任されていた三番から、出塁率重視の一番に置かれるなど、苦しんだ1年だった。菊池も両ヒザの前十字じん帯を損傷。本来の打撃を取り戻せないだけでなく、12球団屈指の守備にも影響が出ていた。

 丸は大胆な打撃改造で復活。石井打撃コーチと二人三脚でフォームを変えた。グリップを上げ、ヒッチさせてタイミングを取り、足も上げた。かかと体重で腰が引ける悪癖を見事に修正し、輝きを取り戻した。9月23日現在で、全試合に三番・中堅で出場。固定された打順で結果を残し、打線のつながりも生んだ。自己最多の20発、90打点もクリア。鮮やかな復活劇だった。

 ケガが癒えた菊池は好守で存在感を発揮。超人的な守備範囲を誇る二塁では、何度もチームの危機を救った。打っても二番打者として状況に応じた打撃に徹した。昨季よりも犠打のサインは少なくなり、変わりに右打ちやエンドランを器用にこなした。両者の存在が、ビッグレッドマシンガンと呼ばれた強力打線をつないでいった。

 目指すはもっと先。32年ぶりの日本一へ向け、キクマルが引っ張る。沈んだ分だけ、反動も大きい。
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