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西武 森友哉捕手・西武打線の底力を発揮した逆転劇

 



 宿敵・ソフトバンクに先制され9回表まで5対7と常にリードを許し、追いかける展開で迎えた9回裏、サファテから3点を奪っての大逆転劇は見事だった。

 8月31日のソフトバンク戦(西武プリンス)。試合展開も非常に印象的だった。先発の多和田が初回2失点。2回に1点を返すも、3回に柳田の本塁打など、さらに2点を奪われた。4回裏、再び1点を返したが5回、6回と1点ずつ加点され徐々に点差を広げられる。だが、6回裏に中村、7回浅村、8回栗山と主軸の適時打で西武もコツコツと1点ずつを返し、ついに1点差まで詰め寄った。

 そして9回。表に5番手の大石が2つの暴投で1点を失ったが、その裏、先頭の金子侑が安打で出塁すると、盗塁を決め二塁へ。それを浅村が左越え適時二塁打でかえして1点差。続くメヒアが四球を選び、二死一、二塁で森が殊勲打を放ち、サヨナラ勝ちを決めた。

 大きかったのは4回表無死一、三塁で登場した2番手・小石が、その回を無失点で乗り切ったことだ。そこでビッグイニングを作らせなかったことが、野手陣の集中力を保たせ追撃ムードを生んだ。また、5回裏に呉が1人で18球を投じさせる粘りを発揮。そのしぶとさに、スタンドからも大きな拍手が送られたのも印象深い。

 結果として8点を奪ったが本塁打は0。安打や四球をしっかり選び、打つべき選手が勝負強さを発揮し、着実に1点ずつ返しての逆転劇に西武打線本来の底力を見た。
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