ここ数年と同じように、打線は開幕から得点力不足に苦しんだ。そんな中でも、面白いように打線がつながったのが7月31日の
ヤクルト戦(東京ドーム)だった。0対0の2回に7安打を集め、一気に6得点。先頭の村田が中前打、
橋本到の右前打で一、三塁。脇谷の右前打でまず1点を奪い、続く
小林誠の右前打で再び好機を広げる。
マイコラスの犠打を挟み、長野が2点中前打を放ち、二死後に
坂本勇人が適時中前打、阿部が2点二塁打で一気呵成の攻撃を締めた。手元で微妙に変化させてくる館山をとらえ、内田打撃コーチは「逆方向にいい打撃をした」と選手を称えた。
中心はやはり、中軸を担った坂本、阿部、村田だ。好調な打撃を続けていた坂本は「球を呼び込めて、見極めて、甘い球を打てている」と手応えを口にし、阿部は「コンパクトに振っていったのが良かった」。また、村田はバットだけではなく、“足”でもチームに貢献。橋本到の右前打で一気に三進したことに「(右翼手の)捕る体勢を見て、走った。行けるときは行こうと思って、自分の判断で。一、二塁と一、三塁では全然、違う」と笑顔を見せた。
高橋監督は「軸として思っている選手が結果を出せば、周りが引っ張られる」と相乗効果を認めた。この試合で3連勝を飾ったチームの連勝は、最終的に7にまで伸びた。結果的に2位に終わったが、一時は
広島を追い上げる機運を高めた一戦だった。