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ロッテ 石川歩投手・チームを勝利に導く真のエースへ

 



 石川歩は今季、球界を代表する右腕になった。14勝5敗、防御率はリーグトップの2.16。勝ち星はソフトバンクの和田に1差の2位、5完投、3完封はともにリーグトップだ。先発の柱としてチームをけん引した。「タイトルは無理だと思うので、チームが勝てるようにゲームをつくることを考えている」と話してきたが、気づけば最優秀防御率を獲得した。

 チームを何度も救ってきた。大きな1勝は9月15日の楽天戦(Koboスタ宮城)。119球を投げ抜き、4安打の完封勝利を無四球で飾った。試合後は「無四球は普通。(完投は)イヤだなと思いながら投げた」と涼しい顔。チームの連敗も3でストップ。3位争いをする楽天を直接対決で退け、2年連続のCS切符を引き寄せた。落合投手コーチも「満点。楽天に勝ってくれたのが大きい」と絶賛の快投だった。

 タイトルよりもCS突破を優先した。9月24日のオリックス戦(QVCマリン)に先発して勝ち星がつかず、ベンチはタイトル狙いでもう1試合先発することを勧めた。だが石川は、「来年頑張ります」と登録抹消を選択。あと1勝すれば和田に並ぶ最多勝、最高勝率も獲得し、球団では1960年の小野正一以来56年ぶりとなる投手3冠を手にするところだった。それでも疲労回復に努め、「肩を休めることができた。疲れはある程度取れた。肩の状態もいいと思う」とCSに臨んだ。常にチームの勝利を優先、伊東監督は「涌井と並んで柱になる投手」と信頼を寄せている。
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