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オリックス 西勇輝投手・充実の時間を今季にぶつける

 


 今年こそやってやる、その思いがにじみ出ている。昨年は悪夢のようなシーズンだった。26試合で10勝12敗と、数字だけを見れば4年連続での2ケタ勝利を達成したが、本人はその結果にまったく納得していない。金子らとともに大きな期待を背負って開幕先発ローテを任されたが、スタートダッシュに失敗。春先は大量失点する場面が目立ち、開幕から3連敗した。さらに5月から6月にかけては8戦連続で勝ち星に恵まれず「苦しかったし、眠れない日も続いた」と振り返る。

 開幕ダッシュを決めるため、例年なら休養に充てる12月もフル回転した。師と仰ぐ巨人・菅野に2年連続で弟子入り。ハワイで約1カ月間トレーニングを行った。同じメニューをこなす中で「菅野さんは体幹がしっかりしている。軸がブレない。体の入れ替えがうまくできている」と感銘を受け、春季キャンプでも同じメニューを継続して行った。

 その春季キャンプでも開幕を意識して、例年より早い2月2日に初ブルペン入り。投げるクセや感覚を体に染みこませるべく、1カ月を通してとことん投げ込んだ。手にまめをつくりながらも、200球以上投げたこともあった。

「去年は結果がついてこなかった。失敗を繰り返さないようにしたい」

 もう二度と悔しい思いはしたくない、その気持ちが今季への原動力になっている。オフからキャンプまでの充実した時間を生かすためにも、始まりが肝心――。見事なスタートを決め、最高のシーズンとしてみせる。
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