オープン戦の最終戦だった3月26日の
広島戦[マツダ広島]。プロ4年目の
上林誠知はスタメンに名を連ねた。この日は4打数無安打2三振に終わったが、オープン戦は出場14試合で打率.243、2本塁打、6打点。ライバルたちとしのぎを削り、プロ初の開幕一軍キップをつかみ取った。
「(開幕一軍は)初めてのことなので緊張すると思うけど、それに慣れたいです。練習期間もあるのでいい状態で臨みたいです」
昨季はキャンプA組に抜てきされながら、オープン戦途中でファームに降格していた。今季はオフの期間に体重10キロ増の88キロと、パワーアップに成功し、春季キャンプでは特打で右翼ポールの金網を「破壊」するなど周囲に成長を印象づけた。オープン戦では20日の
DeNA戦[横浜]で右翼最上段にある「鳩サブレー」の看板直撃140メートル弾。順調すぎるほどアピールを続けた。
ただ、好事魔多しだ。23日の
阪神戦[ヤフオクドーム]で自打球を右ヒザに当て負傷交代し、そのまま、福岡市内の病院へ直行した。打撲の診断でほっと一息ついたが、その後、出場した2試合は無安打と影響は少なくなかった。それでも「僕はもともと骨が強いんですよ」と明るく振る舞った。
もう、2度とつかんだ一軍キップを手放す悔しさは味わいたくない。開幕前の練習日には居残り特打で汗を流した。長谷川勇、福田らと外野の一角を争うだけの実力は身についてきた。目の前にあるからこそ、必死に追いかける。