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広島・小園海斗 一軍の厳しさ知ったエラー/あの悔しさを胸に……

 



 小園海斗には忘れられない試合がある。6月22日、オリックス戦(マツダ広島)。デビューから3試合連続となる「一番・遊撃」で先発。0対0の6回表、無死一塁での守りで併殺コースのゴロをトンネルし、この回3失点のきっかけを作った。これがこの日2つ目の失策で、3戦連続計4失策となった。ワンプレーが勝敗に直結する一軍のシビアさを嫌というほど味わった。

 デビュー戦となった20日のロッテ戦(マツダ広島)ではプロ初打席初安打を記録し、失策も記録したがチームは勝った。21日のオリックス戦(マツダ広島)は1点リードの9回一死から失策を犯し、直後に吉田正の2ランが出て逆転負けした。それを受けてのプロ3戦目。大事にいこうとして足が止まったことが悔しかった。周囲から「切り替えろ」「思い切っていけ」と声を掛けられた。余計に悔しさが募り、涙が出た。

 それから小園は、迷わなくなった。迷ったら一歩前に出ればいい。ちゅうちょして動かないことほど悔しいことはない。内野が天然芝で、日本で最も守るのが難しいと言われるマツダ広島では、どうしても失策は出る。ならば、悔いのない動きをしよう。そんな思いが、足さばきやスローイングに表れるようになった。二軍落ちも経験したが「いつかこの経験がよかったと思えるように頑張りたい」と前を向いた。

 シーズン終盤は下位打線に入り、遊撃で起用されるようになった。小園は来季も、恐れずに前に進む。

写真=BBM
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