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ヤクルト・内川聖一 新型コロナ禍より復帰も……/“春の誤算”喜怒哀楽

 

巧みなバッティングを見せていた内川


 開幕早々、苦境に立たされた。3月31日。西田明央が新型コロナウイルスの陽性と判定され、濃厚接触者として、青木宣親川端慎吾とともに、内川聖一も2週間の隔離生活を送ることを余儀なくされた。2年連続最下位からの巻き返しへ、必要な新戦力がいきなり離脱することとなった。

 高津臣吾監督は「一番悔しいのは西田を含めて試合に出られなくなった選手だと思います。野球選手である以上、グラウンドに立ってボールを追い掛けまわすのが幸せな時間だと思う。それをできなくなったわけなので」と選手をおもんぱかった。内川にとっては新天地で迎えるプロ21年目。「僕の野球人生にとって第3章みたいなイメージになると思います」と口にしていたベテランにとっても、まさかの事態だった。

 隔離期間中は起床時間など一日の動きをみずから設定。トレーニングや素振りを行い、感覚を失わないように努めた。そして、4月14日のイースタン・巨人戦(戸田)で実戦復帰。「四番・一塁」で先発出場し2打数無安打だったが、「そんなに大きな違和感は感じずに、普通にできたという感じはしますね」とブランクを感じさせずにプレーした。

 自身の離脱中は、若手らが奮闘。テレビ越しに見守り「チームがすごくいい雰囲気で戦っているのは見せてもらっていた。一日でも早く、その輪のなかに戻って頑張りたい気持ちになりました」と刺激を受けた。打線の中では重要な五番打者。「プレッシャーしかない」と口にしつつもしっかり結果を残していたベテランは、4月16日に一軍復帰。しかし……。

 同19日、内川は上半身の張りを訴えて、登録を抹消された。現在、チームは下馬評を覆す奮闘を見せている。青木や塩見泰隆が五番打者として機能していることもあり、内川の離脱が長引けば、若手に居場所を奪われる可能性も高い。代打として安打製造機が控えている状況は頼もしいが、出番を求めてのヤクルト移籍だったはず。コンディションを万全に整えて一日も早く復帰し、自らのバットで居場所をつかむしかない。

写真=BBM
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