ゴールデン・グラブ賞7度の技が光ったのは、5月5日の
広島戦(マツダ広島)だ。2018年まで在籍した古巣の本拠地での一戦。中堅を守っていた丸佳浩は、2対0の7回、2度の飛球が太陽と重なっても、経験と勘でグラブに収めてみせた。
まずは一死で
安部友裕が放った平凡な飛球。サングラスをかけていてもまぶしい太陽の光に打球が消えかけたが、落下点を予測して後ろに下がり、グラブで太陽を隠してキャッチ。さらに二死一塁での
小園海斗の飛球も同じように見失いかけたが、両ヒザを地面について倒れながら捕球。落としていれば失点は確実な場面だっただけに、思わず「危ねえー!」と絶叫した。
直前の攻撃では同じような飛球を広島の中堅手・
羽月隆太郎が見失い、巨人の得点につながっていた。「何とか粘ったけど、一歩間違えてたら自分も(同様に)やっていた」と丸。2度の好プレーでチームはそのまま逃げ切った。
名人でも悔しさを味わうこともある。5月25日の
楽天戦(東京ドーム)の4回の守りだった。
辰己涼介の左中間への当たりと、続く
鈴木大地の右中間への打球に立て続けに飛び込んだが、両方ともグラブに当てていながら弾いて安打にした。悔しそうな表情を浮かべた丸だったが、その後の1点リードの5回一死一塁では、
浅村栄斗の右中間への飛球をフェンスに激突しながらジャンピングキャッチ。一塁走者が飛び出していたため一塁へ送球し、併殺打に。名誉挽回のビッグプレーで、「名手・丸」の存在感を強く印象づけた。
現在は打撃不振により二軍調整中だが、復帰が待たれる。
写真=BBM