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西武・ダーモディ 自慢の制球力を発揮できない新外国人サウスポー/助っ人前半戦通信簿

 

前半戦、一軍では結果を残せなかったダーモディ


 昨季、与四球数がリーグワーストだった西武にとって、マット・ダーモディが入団会見で語った自らのストロングポイントは、この上なく魅力的であり、頼もしいものだった。「四球もほとんど出さないので、コントロールには自信があります」。実際、メジャー・リーグでは29試合に登板し5四球と数字も信憑性を高めてくれていた。

 だが、本人も来日前から認識していたとおり「プレースタイルは日本と米国では結構違いがある」のだろう。いざマウンドに上がると、粘り強くバットに当ててファウルにし、ボール球はしっかりと見極める日本人打者のしぶとさに、自慢の制球力を発揮できず。6試合目の先発登板となった6月9日のDeNA戦(メットライフ)では4回途中4四球で降板し、そのままファーム調整を余儀なくされた。貴重な先発ローテ左腕として大きな期待を抱いていただけに、辻発彦監督も、「コントロールは自信があると言っている中で、四球、四球の連続。攻撃にもリズムができない」と落胆の色を隠せなかった。

 ファームでの調整が続いたなかで、先発ではなく主に中継ぎとして起用されており、一軍でも配置転換の可能性は十分考えられる。ただ、いずれにしても「野手を信頼して、ボールをどんどん打たせてアウトを取る」を自らの投球スタイルとしている以上、制球力改善は至上命題だろう。

 五輪ブレーク期間中、心身とも存分にリフレッシュするとともに、課題克服に努め、後半戦はぜひとも日本の野球スタイルへのアジャストを見せてほしい。

写真=BBM
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