来日3年目となるT.ビエイラが残留を決断した理由は、G党の心をくすぐるものだった。
「日本でプレーするチャンスをくれたチームですから。それからSNSで多くのファンから『ジャイアンツに残ってほしい』というメッセージをいただいた。そういう声もあって残留しました」
オフには複数のメジャー球団からオファーがあったというが、最後は“ジャイアンツ愛”を貫いた。ほぼ倍増となる年俸130万ドル(約1億4300万円)で再契約。インスタグラムなどのSNSで、日本のファンから届いた「残留要請」が決め手になったようだ。
昨季はシーズン途中から守護神に定着し、56試合の登板で19セーブ。8月13日の
中日戦(東京ドーム)でNPB史上最速となる166キロを計測した。さらに、外国人選手では史上最長となる32試合連続無失点の偉業も達成。
原辰徳監督は「相手にせずに良かったなと見えるぐらい、非常に自信に満ちて、安定感がある」とほめちぎり、練習熱心で知られる性格にも「日ごろの彼の練習量というのは並みじゃない。非常に尊敬に値する」と賛辞を送っていた。
本人は「まず、クローザーというポジションが与えられるかは分からない。しっかり練習して、アピールしていく」と謙虚だが、シーズンを通して9回のマウンドを任されることになれば、チームでは2016年の
澤村拓一(37セーブ)以来となる最多セーブのタイトル獲得が、おのずと見えてくるだろう。
写真=BBM