新人離れの好成績を残した昨季を上回る2年目を目指す。牧秀悟は打率.314、22本塁打、71打点で新人特別賞を受賞した昨年12月のNPBアワードで「打点王を取ってここに戻ってきたい」と高らかに言った。100打点超えを目標に掲げ、自身初のタイトルを狙う。

　昨季はルーキーながら開幕戦に「三番・一塁」で出場すると、レギュラーの座をがっちりつかんだ。夏場に疲労から調子を落としたものの、東京五輪開催に伴う中断期間に直球を打ち返す練習に取り組んで復調。後半戦は四番にも座るなど手の付けられない活躍で、最下位に沈んだチームの希望の光となった。

　主軸の一人として、チームの勝利への思いは強い。打点にこだわりを見せるのも「チームに一番貢献できるところなので」との理由だ。長打力はもちろん、広角に打ち分ける技術を持ち、勝負強さは既に証明済み。「チームで一番打点を稼げる打者になっていきたい」との理想像も決して不可能ではないだろう。

　初めてのオフは「１年間戦うためにどんな準備をすればいいか学びたかった」と、長年プロの世界で戦う大和に弟子入り。キックボクシングを練習に取り入れ、長丁場でばてないための強化に努めてきた。新型コロナウイルス感染でキャンプインが遅れたが、２月６日に二軍で練習復帰。開幕に向けて不安はなさそうだ。

　三浦大輔監督も「牧に2年目のジンクスは心配していない。スタイルを変える必要はない」と絶大な信頼を寄せる。チームの中心として今季も快音を重ねるだろう。
写真＝BBM