節目の20盗塁は価値ある場面で敢行した。9月9日の
巨人戦(東京ドーム)。1点リードの9回に絶対的守護神のR.
マルティネスが
丸佳浩に同点弾を浴びて迎えた延長10回表の攻撃。先頭は岡林勇希だった。
巨人の抑え
大勢から四球を選ぶと、続く
三好大倫の2球目だった。「行けると思ったので必死に走りました」。アウトが許されない場面でスタートを切ると、二塁を陥れてチャンスを拡大。その後、三塁まで進むと
阿部寿樹のスクイズで勝ち越しのホームをもぎとった。
立浪和義監督も「最近盗塁も増えている。今年これで20個目ですよね。大事なところで走れるようになってきた。まだまだ伸びしろはあると思う。きょうはよく走ってくれた」と目を細めた。
翌10日も足で魅せた。2点リードの8回に先頭で打席に立つと、捉えた打球が右翼線を破る。岡林は一気に三塁へ。「行けると思ったし、行くしかないと思っていきました」。今季9本目の三塁打で好機を演出すると、
ビシエドの適時打で貴重な追加点となるホームを駆け抜けた。
オープン戦は成功3で盗塁死は12球団最多の6だった。「スタートの無駄な動きがなくなってはきましたが、もっと無駄な動きをなくしたい。スライディングはスピードを落とさずいきたい。練習です」と話していたのは半年前のことだった。
開幕してからも本拠地の練習の最後は
荒木雅博コーチとマンツーマンで走塁練習するのが日課だった。もともとの足の速さに判断力や技術力が身に付いてきた。後半戦は一番に定着。スピードスターになるための準備は着実に整いつつある。
写真=BBM