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ロッテ・井上晴哉 雰囲気を変える豪快なアーチを/わがチームのムードメーカー

 


 豪快な一振りはチームを波に乗せる。井上晴哉の勝負強さは今季も欠かせない。自身の求める理想像も「ここ一番で打てる、欲しいところでホームランを打てるバッター」。自慢の打棒で、球場の雰囲気を何度も変える。

 久しぶりに元気に開幕を迎えた。2021年10月に右手首を手術。バットを振れない時期も経験し、リハビリ組の投手と懸命に走り込むこともあった。今季はキャンプから順調に調整を続け、コロナ禍でスタートが遅れた20年以来の開幕一軍に。「シンプルに野球が楽しいです、何歳になっても。マリンに立っていること自体が楽しいです」と表情は明るい。3月26日の中日とのオープン戦(バンテリン)では代打で左前打。最終戦で結果を出し、3月31日のソフトバンクとの開幕戦(PayPayドーム)では開幕四番を務めた。

 求められる役割は、打つだけではない。安田、藤原ら若手が多い野手陣の中で経験豊富な33歳の存在感は際立つ。昨季はスタメンを外れても、ベンチで後輩を鼓舞する姿があった。献身的な姿勢も目立つが、まだまだ簡単に若手に譲る気もない。同じポジションには、成長著しい右の長距離砲の山口がいる。「プロに入ってからずっと外国人と争ってきた。自分は打つことを求められている以上、競争しないと」と力強い。

 今季は18、19年にマークした自己最多の24本塁打の更新を目標の一つに掲げる。「ホームランでキャリアハイはいきたい」。25本打てば、節目の通算100本塁打に到達。プロ10年目、区切りのアーチに向け、1本ずつ積み重ねる。

写真=高塩隆
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