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DeNA・山本祐大 形になった振り込みの成果 しぶとい打撃で相手に与えない隙/下位打線で光る

 

今年は打撃で成長の跡を見せている山本


 間違いなく、昨季までとは違った姿を見せている。京都翔英高からBCL/滋賀を経て2018年ドラフト9位で入団の6年目。24歳の山本祐大である。持ち前の強肩を武器に一軍で台頭し始めた21年は51試合に出場し打率.131。昨季も打率.103と苦しみ17試合の出場にとどまった男が、今季は打撃でも貢献し、下位打線で貴重な存在となっている。

 オープン戦から違いを見せていた。12試合に出場し、打率.438(16打数7安打)。出塁率は5割をマークした。打席の内容も優れ、オープン戦19打席に加えて、シーズンに入っても26打席目まで、なんと一つも三振することがなかった。石井琢朗コーチが就任した昨春のキャンプで連日、居残りで素振りに取り組み、シーズン中も積極的に早出練習を行い、バットを振り込むなど、地道に取り組んできた努力が実を結びつつある。

 特に鮮烈な印象を残したのが、4月12日のヤクルト戦(神宮)。八番・捕手でスタメン出場すると、4回に二塁打、6回一死二塁の好機ではプロ初の三塁打となる適時打を放ち「足が遅いので三塁打は打てないと思っていたけど、全力で走った」と拳を握った。8回にも右前打を放ち3打数3安打、あと本塁打が出ればサイクル安打の大暴れを見せ「出られる試合は多くないけど、出た試合で結果を出せるように、その準備は怠らないようにしてきた」と胸を張った。

 チームが今季、先発投手によって戸柱恭孝伊藤光との3捕手併用制を敷けているのも、山本の打撃面での成長が大きい。しぶとい打撃で、相手に隙を与えぬ下位打線を形成する。

写真=BBM
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