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ロッテ・松川虎生 一から鍛える/2年目の明暗

 


 鮮烈デビューを遂げた昨年から一転、自らと向き合う日々が続く。2年目の松川虎生は今年4月13日にプロ入り後初めて出場選手登録を抹消された。1年間一軍で過ごしたルーキーイヤーとは違い、昨年1試合しか出場がなかったファームが主戦場。捕手だけではなく、指名打者としても起用され、休みなく実戦に励む。

 市和歌山高からドラフト1位で入団した昨季。春季キャンプからアピールし、高卒新人捕手として史上3人目となる開幕マスクに抜てき。2戦目でプロ初安打を放つなど上々の滑り出しを見せ、さらに4月10日のオリックス戦(ZOZOマリン)では佐々木朗希の完全試合をリード。10勝を挙げたベテランの美馬学が絶対的な信頼を置くなど、76試合に出場。新人らしからぬ活躍で、さらなる飛躍を感じさせた。

 それでも、19歳に満足感はなかった。「この1年間、悔しかったということが一番。来年は1年目という言葉がないので、しっかり危機感を感じてやりたい」。打率は.173。守備でもブロッキングに課題を感じたという。技術向上を求め、オフはWBC日本代表の中村悠平(ヤクルト)ら経験豊富な捕手が集う自主トレに参加。2年連続で開幕一軍をつかんだが、5試合出場で計1安打。二軍での調整が決まった。

 吉井監督は「彼にとっては必要な時間。たくさん試合に出て、レベルを上げてまた戻ってきてほしい」。ファームでの7月4日の巨人戦(ロッテ浦和)では公式戦初本塁打をマーク。打撃でも守備でも一から見つめ直す時間になっている。

写真=川口洋邦
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