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ソフトバンク・スチュワートJr. 来日5年目、登板に表れる成長の証し/わがチームの速球王

 

初勝利を機に、飛躍し続けるスチュワート


 力強い速球を武器に、全米ドライチ右腕がようやくその能力を開花させた。8月6日の日本ハム戦(エスコンF)。1点リードの5回に無死満塁のピンチを迎えたC.スチュワート・ジュニアがギアを上げた。一打逆転の場面で、まずは万波中正を154キロの直球で追い込むと、続く緩急差約30キロのカーブで三ゴロ併殺に仕留めた。二死二、三塁からは続く野村佑希を155キロの直球で押し込み右飛。ピンチで日本ハムの若手スラッガー陣を力でねじ伏せ、5回1失点で来日2勝目を手にした。

「最少失点で抑えられたのは良かったが、6四球はまったくダメ」。登板2連勝にも本人はそう反省を口にしたが、斉藤和巳投手コーチは「投げるたびに本当に成長している」と評価する。2018年にブレーブスからドラフト1巡目(全体8位)指名を受けながらも入団には至らず。19年途中から6年契約でソフトバンクに入団したが、4年目の昨季までは未勝利に終わっていた。強い覚悟で臨んだ今季は、初登板した6月18日の阪神戦(甲子園)の初回に自己最速の160キロをマーク。その後も好投を続けながら4試合白星に届かなかったが、7月26日のオリックス戦(京セラドーム)で6回1失点と好投して来日初白星を手にした。

 その直球の武器は、スピードだけではない。回転数は2700回転を超えることもある。球団の川原弘之一軍アナリストは「どの球種の回転数もプロ野球でほとんどお目にかかれない数字。メジャーでもそうそうないんじゃないですか」と分析。その高い才能から目が離せない。

写真=BBM
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