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ヤクルト・星知弥 復活もたらした原点回帰/わがチームの速球王

 


 代名詞の直球とともに見事に復活した。星知弥が今季、スワローズのブルペンに戻ってきた。4月2日の広島戦(神宮)では同点の8回から登板。見事に無失点で切り抜けると、チームが勝ち越し、2019年8月17日の中日戦(神宮)以来、1324日ぶりの白星を挙げた。一度、二軍調整期間を経たが、9月3日時点でキャリアハイを更新する39試合に登板。自己最多の14ホールドを記録している。

 最大の武器である直球を磨きなおし、一軍の舞台に戻ってきた。明大時代から伸びのある力強い直球を評価され、17年にドラフト2位で入団。昨季まで通算120試合に登板していたが、近年は故障もあってなかなか本来の投球ができていなかった。清水昇ら後輩が活躍する姿を見て「悔しさは、もちろんありました」というのが本音。それと同時に自問自答を繰り返す中で「いい投手がいる中に割って入っていくために何が必要なのか考えたとき、自分にとって何が一番いいのかと考えたときに、まずは真っすぐを取り戻さないと勝負にならないな」と決心した。まさに原点回帰だった。

 下半身のトレーニングや投球フォームを見直しながら、直球の質の改善に励んできた。160キロが全盛の時代で、最速は150キロ台中盤と群を抜いて速いわけではない。ただ「質のいい真っすぐというか、そこにこだわりは持っていますね。伸び上がるようなイメージを持つようにしています」と星。自慢の真っすぐがあれば、成長曲線も右肩上がりに伸びていくはずだ。
写真=BBM
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