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オリックス・T-岡田 秘める闘志は誰よりも「まだまだ(若手に)負けたくないという気持ちをずっと持ってやっていた」/復活を遂げた男たち

 


 歓喜の瞬間、T-岡田は、安堵の表情でベンチを飛び出した。リーグ3連覇を決めた9月20日のロッテ戦(京セラドーム)。本拠地に集うファンの視線は、背番号55に注がれた。

 ファームで鍛錬を積んだベテランが戻ってきた。勝てば胴上げの試合に七番・一塁で先発出場。再昇格即の起用に「(試合前)練習終わりに(首脳陣から)代走で用意しといて(笑)と言われていたので、スタメンはないかなと思っていました。メンバー(表)を見て、正直にビックリしました」と驚きを隠せなかった。

 かつての主砲は本調子とは程遠かった。高卒プロ18年目のシーズンで、昨季までに通算204本塁打と数多くアーチを描いてきた“浪速の轟砲”だが、今季は本塁打なし。持ち味の長打力は影を潜めているが「(シーズンの)最後に一軍に呼んでもらって、(中嶋)監督に感謝したい。まだ、クライマックス・シリーズ、日本シリーズがある。シーズンで迷惑をかけた分、少しでも(結果で)返せたらなと思います」と秘める闘志は誰よりも熱いものがある。

 長くなった二軍生活に「いろいろな思いがありました。まだまだ(若手に)負けたくないという気持ちをずっと持ってやっていました」。9月23日のソフトバンク戦(PayPayドーム)から4試合で四番に座った。3連覇を決めた夜、背番号55は口にした。

「僕の知っているオリックスとはちょっと違う……」

 ベテランの力がかみ合えば、さらに強さが増す。

写真=BBM
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