アピールし続けたシーズンだった。高卒4年目の内野手、武岡龍世は今季、キャリアハイとなる84試合に出場。昨季までの3年間でわずか13試合の出場にとどまっていた22歳は、来季以降につながる経験を積んだ。
開幕は二軍スタートだったが、4月20日以降は一度も出場選手登録を抹消されることなく、完走。シーズン中には「僕は二遊間を守らせてもらっていて、山田さんだったり、長岡だったりいろいろなライバルがいる中で、一日一日いいアピールができるようにというふうに臨んでいます」と熱い思いを明かしていた。
劇的な殊勲打で、チームの勝利にも貢献した。前半戦最終戦となった7月17日の
巨人戦(神宮)。10対10と乱打戦になった延長10回二死一、三塁で左前への適時打を放ち、人生初のウォーターシャワーを浴びた。「試合も長くて、乱打戦というのもあって、集中力が欠けそうな部分もあったと思うんですけど、集中力だけは切らさずにやっていこうと思っていたので、いい結果になったのかなと思います」。自身の立ち位置を理解しながら、結果を出すために最後まで集中力を高めていた。
内野手で右投左打といえば、
奥村展征や
宮本丈、
太田賢吾、
元山飛優、同期で同学年の
長岡秀樹らライバルは多い。頭一つ抜け出し、レギュラーを脅かす存在になるにはさらなるレベルアップが求められる。「学ぶことがたくさんできているので、今後に生かせるいい1年にしたい」と口にしていた武岡。来季は勝負の年となる。
写真=BBM