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中日・カリステ ハングリー精神を胸に/助っ人通信簿

 


 終盤の追い込みで来季の契約を勝ち取った。9月19日の広島戦(バンテリン)。延長11回、無死満塁で打席にはカリステ。カウント2-1から、大道温貴の外角150キロを弾き返し、試合を決めた。

「この瞬間が野球をやっていて一番うれしいし最高です」。この日は6点リードを一時はひっくり返される苦しい展開。天国から地獄へとたたき落とされた竜党に最高の結末をプレゼントし、仲間からのウォーターシャワーに満面の笑みを浮かべた。

 内野のバックアップとして期待されての入団だった。5月にアメリカ永住権更新で一時帰国するため、出場選手登録を抹消されると、なかなかチャンスは巡ってこなかった。8月22日に再昇格を果たすと、翌23日の阪神戦(京セラドーム)で4打数4安打の大活躍を見せた。

 9月1日の広島戦(マツダ広島)では2本塁打を含む3安打と印象に残る活躍でアピールに成功した。「とにかく毎日毎日、良くなると信じてやってきた」。夏場は灼熱のナゴヤ球場の二軍戦でも全力プレーを続けてきた。

 今季の年俸は、ほかの助っ人に比べれば格安の3000万円(推定)。昨オフ「(金額は)いくらでもいいから日本でやりたい」とドミニカ共和国に視察に訪れた立浪和義監督に直訴。指揮官も「あいつはハングリー。どうしても成功したいという気持ちがある」とうなずく。

 アキーノアルモンテと「本命」は不発に終わった。二遊間はまだまだ途上の若手が多い中、カリステの存在は来季のドラゴンズにとって欠かせないものになった。

写真=BBM
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