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オリックス・杉本裕太郎 後輩と再び同じユニフォームを着て「ドラフトって10位まであるんや……」/ドラフト下位選手の今

 


 運命のドラフト会議から8年が経った。杉本裕太郎は、2015年秋に行われたドラフト会議で、オリックスから10位指名を受けてプロの世界に羽ばたいた。

「最初、指名されたときは、何が何なのか、よく分かっていませんでした。ドラフトって10位まであるんや……というのが正直な感想です。喜びの気持ちもありましたけど、驚きのほうがありましたね」

 徳島で生まれ育ち、徳島商高から青学大に入学。3年になると、新入生に吉田正尚(現レッドソックス)が入学してきた。福井の敦賀気比高から入部してきた新人に、刺激を受けたのを今も覚えている。

「入部してきたころ、最初の練習でティー打撃を見たんですけど、モノが違いました。バコバコ打っていたので、僕も頑張らないとな、と言う気持ちになったのを覚えています」

 それから4年後──。JR西日本に在籍していた杉本が、ドラフト10位で指名される数時間前には、吉田がドラフト1位でオリックスから指名を受けていた。

「また同じチームでプレーできることになって、素直にうれしかったですね。同じ外野手なので、負けられない気持ちもありましたけど、どちらかといえば、ホッとした部分がありました」

 愛称“ラオウ”で親しまれる男は、覚醒まで5、6年を要したが、2021年には本塁打王に輝いてチームを25年ぶりのリーグ制覇に導いた。吉田から選手会長を引き継いだ今季は3連覇を達成。CSで負傷した左足首の痛みを押して出場した日本シリーズでは、2年連続の日本一を逃したが、チームに欠かせぬ主軸へと成長し、下位指名から夢をつかんでみせた。

写真=BBM
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