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ロッテ・中村奨吾 悔しさ糧に、挑戦の10年目/記録への挑戦

 


 覚悟を持って、新たなシーズンを迎える。中村奨吾は2024年がプロ入りから10年目。区切りの数字でもある通算1000安打も残り41本に迫り、「またここから、もう一度スタートの気持ちでやっていきたいと思う」と闘志を燃やしている。

 なかなか兆しが見えない1年となった。23年は打率.220、11本塁打、48打点。打率はリーグの規定打席到達者の中で最低の数字となった。何とかしようとグラウンドに一番に現れ、振り込む姿はシーズンを通して見慣れた光景だった。

 それでも、得点圏打率は.228と持ち味の勝負強さも陰を潜め、打順が下位になることも。「実力不足だと思う。修正し切れなかったことが原因」と受け止め、「いろんなことに挑戦して、試行錯誤しながらやった結果、引き出しは増えたと思う。この1年が良かった1年と思えるように頑張る」と前を向く。

 巻き返しへ、自らに厳しい31歳はさらに追い込む。自主トレでは「振り込み、走り込みの量を増やす」と計画。守備ではゴールデン・グラブ賞に3度輝いた二塁だけではなく、三塁にも挑戦。「ポジションが変わることは難しいこと。景色も逆になるが、チャレンジする」と話す。二塁にもこだわりながら、チームにも新たな選択肢をもたらす。

 2018〜21年シーズンに達成した全試合出場は目標の一つ。

「成績を出してチームに貢献していけば使わざるを得ないと思う。1年間フルで出られるシーズンに」

 苦しんだ2023年を糧に、勝負の10年目に挑む。

写真=川口洋邦
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