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第93回都市対抗野球大会

名門復活! ENEOS(横浜市)大会最多を更新する12度目V

 

再登板となって3年目の大久保監督は2008、12、13年に続いて4度目の都市対抗制覇。東京ドームを舞い、小野賞[素晴らしい活躍をした選手、監督、チームに与えられる特別賞]を受賞した[写真=矢野寿明]


1イニング3発で大逆転! ミラクルで9年ぶりの黒獅子旗


 第93回都市対抗野球大会の決勝が7月29日、東京ドームで行われ、ENEOS(横浜市)が東京ガス(東京都)を5対4で下し9年ぶり12度目の優勝(大会最多を更新)。大久保秀昭監督(慶大)は試合直後のインタビューで「こんなことがあっていいのか。前回大会優勝で横綱の東京ガスに対し、前頭のENEOSが勝つために『ミラクルを起こしてくれ』と言いましたが、本当に起こしてくれました」と涙ぐみ、声を震わせながら選手をたたえた。

 大久保監督は06年にENEOS(当時は新日本石油ENEOS)の監督に就任すると、田澤純一(元レッドソックスほか)を擁した08年、そして12、13年には都市対抗で連覇へ導いた名将である。15年春からは母校・慶大の指揮を執り、リーグ優勝3回。19年11月の明治神宮大会優勝を花道に同12月、古巣・ENEOS(当時はJX-ENEOS)の監督に復帰した。16年から4年連続で都市対抗出場を逃したチームの再建を託されたのである。このまま低迷が続けば、チーム存続の危機もあったという。

 就任当時について指揮官は「同地区のライバルは立派な体格をしているのにENEOSは八番、九番を打つような選手ばかり。西関東予選では8連敗していましたから精神面などを私生活から見つめ直し、体力強化にも努めました」と振り返る。ベテランの正捕手・柏木秀文(城西国際大)によれば「早寝、早起き、朝ゴハンから始まった」と明かす。すると、徐々に選手の心境も変化。室内練習場やトレーニングルームにこもる時間が長くなり、グラウンドでは率先して落ち葉などのゴミを拾う姿が見られるようになった。そして、20年の都市対抗西関東二次予選を突破し、5年ぶりの本大会出場。

「あの年の予選は9月中旬でしたが、例年どおり6月だったら間に合わなかったでしょう。でも・・・

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